免疫性不妊症について

免疫性不妊症の解説をする前に、まず、私達の体には健康を維持するために、体内に進入してきたウイルスや病原菌から生命を守る免疫機能があります。この免疫機能の働きにより、よほど強いウイルスでない限り自然と治してくれるという生きていくうえで絶対に必要なものです。

ただ、女性から見れば男性の精子も異物となりますので、人によっては、女性側の免疫機能により体内に入ってきた精子を排除してしまう場合があります。こうような状態を免疫性不妊といいますが、精子を排除してしまうために妊娠確立は低くなってしまいます。


免疫性不妊症の原因

免疫性不妊症の原因としては、女性の体内で免疫機能が精子に対する抗体を作っていることがあげられます。 (抗体とは体内に入ってきた異物を排除するための物質です) そして、その抗体が頚管粘液などに分泌され、受精しようと入ってきた精子を駆逐してしまいます。この精子を駆逐する方法としては、精子の運動性や受精能力などを損なわせて精子を動けなくして無力化します。

また、男性の場合でも、まれに抗精子抗体を持っていることがあります。男性の場合ですと、精管閉鎖や精管結紮などの病気にかかって精子が精管の外に出てしまい、その時にマクロファージ (免疫機能の一つ) に捕捉されてしまうと、抗体産生リンパ球に情報が送られてしまいます。そうして、精子に対する抗体が産生されると考えられています。

いずれにしろ、夫婦どちらか一方にでも抗精子抗体があると、子宮頸管での精子の通過性や精子生存率が悪くなってしまうので、この抗体がいる場合には、自然妊娠の確立が低くなってしまいます。


免疫性不妊症の種類と治療

免疫性不妊症を引き起こす抗体としては、精子を動けなくする 「精子不動化抗体」、精子を固めてしまう 「精子凝集抗体」 があります。その中でも、精子不動化抗体がある場合には、大変、治療の難しい状態となります。

これらの免疫性不妊の女性側の治療法としては、4~6ヶ月ほど女性と男性の接触をたって、女性の体に抗体をつくらせないようにする方法があります。それでも不妊治療が困難な場合でも、人工授精、体外受精などによって妊娠を促す方法もあります。


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