子宮内膜症について

子宮内膜とは、子宮の内側に存在する粘膜組織です。 妊娠した場合は、受精卵が着床して発育する大事な場所でもあります。妊娠しなかった場合には、不要になった子宮内膜がはがれて体外に排出 (月経) されます。この子宮の内側にあるべき子宮内膜の組織が、何らかの原因で、他の器官に移って増殖してしまう病気が子宮内膜症です。

子宮内膜は、女性ホルモンの働きにより定期的に増殖・剥離が起こります。そして、困ったことに、この子宮以外で増殖した粘膜でも、子宮内膜が出血 (月経) するのと同じように出血を起こします。子宮の内側にある子宮内膜からの出血は、もちろん生理として正常に体外に排出されますが、子宮以外で増殖した子宮内膜の出血は、うまく体外に排出できません。そうなってしまうと、本来排出されるはずのものが排出できずに、子宮内膜症が発症した部分に溜まっていってしまうため炎症・癒着を引き起こしてしまいます。


子宮内膜症の原因と妊娠

子宮内膜症の原因については、医学の進んだ現在でもはっきりしておりません。一部の月経血がうまく排出されずに逆流してしまい、子宮以外の場所に子宮内膜の細胞がくっついてしまった。また、月経血の逆流が引き金となり、本来子宮内膜ではない細胞が子宮内膜に似た組織に変わってしまうなどと考えられています。

また、子宮内膜症になったからといっても絶対に妊娠できないわけではありません。しかし、子宮内膜症を放置してしまうと症状が悪化する一方ですので、発症した場所によっては不妊の原因になる可能性もあります。


子宮内膜症の検査と治療

子宮内膜症の検査としては、超音波や血液検査・CTなどがあります。また、子宮内膜症の治療としては、ホルモン療法や手術で病巣を取るなどの方法があります。ただ、子宮内膜症は再発しやすい病気でもありますので、十分な注意が必要です。

◇ 薬物療法

子宮内膜症は、月経のたびに悪化していく可能性がありますので、薬物療法では生理をとめて月経のない状態にもっていきます。その間に炎症を鎮めたり、溜まっている血液が体に吸収されるのを待ちます。このような薬物療法には 「擬妊娠療法」 や 「擬閉経療法」などがあります。

◇ 手術療法

手術療法の特徴としては、患部を直接見て治療が出来るという利点があります。しかし、入院が必要となったり術創が出来てしまうなどの不利な点もあります。また、開腹せずに腹腔鏡で行う手術では、入院期間も短く傷跡もあまり目立たちませんが、症状が進行している場合や悪化していた場合は、腹腔鏡手術では治療できないことがあります。


不妊の原因にもなる子宮内膜症 (チョコレート嚢腫)

卵巣内部に子宮内膜症が発症してしまい、卵巣内に古い血液が溜まっている症状をチョコレート嚢腫と言います。卵巣にできた子宮内膜が出血を繰り返してしまうので、古い血液が溜まってしまい卵巣が腫れる病気です。初期では、あまり自覚症状はでませんが、これが大きくなって悪化してくると、痛みや腹部膨満感などの自覚症状がでてきます。

また、チョコレート嚢腫が大きくなると卵巣髄質内まで拡大してしまうこともあり、まれに、卵巣のほぼ全体を占めるほどまでに悪化することがあります。このチョコレート嚢腫の治療法としては、腹腔鏡手術や開腹手術、薬物治療などが主体となっています。


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