高プロラクチン血症について
プロラクチンというのは、出産後の子育ての時期に役立つホルモンです。赤ちゃんに栄養を与えるために乳汁の分泌を促したり、赤ちゃんの授乳期間中に新しく妊娠しないように月経や排卵を抑える働きがあります。この授乳期間がすぎれば、プロラクチンの濃度も下がって妊娠できる状態に戻ります。
ただ、この授乳期間が過ぎてもプロラクチンの濃度が下がらなかったり、必要も無いのに多く分泌されていると、受精卵が子宮内膜に着床しにくく、妊娠の障害となってしまいます。このような状態を、高プロラクチン血症と呼びます。
高プロラクチン血症の原因
◇ 薬の長期服用
ピルや胃潰瘍、抗うつ剤や降圧剤などを長期間服用していると、ホルモンのバランスが乱れて高プロラクチン血症となる場合があります。薬の服用が原因なので使用を中止すれば元に戻りますが、治療上のために中止できない場合は、薬の量を減らしたりプロラクチンを減らす薬を使用します。
◇ 下垂体の腫瘍
脳の下垂体というのは、「できもの」がよく出来る組織ですが、基本的には、ほとんどが良性です。ただ、腫瘍の位置が悪かったり、大きくなりすぎてホルモンバランスを乱している場合には、高プロラクチン血症となって妊娠の障害となる可能性があります。
また、腫瘍である下垂体腺腫には、ホルモンを生産するタイプとしないタイプの2種類があります。運悪くプロラクチンを生産する下垂体腺腫ができてしまうと、プロラクチンが過剰生産されてしまいますので、この場合も高プロラクチンとなり妊娠しづらくなってしまいます。この場合の治療法としては、外科的な手術で腫瘍を取り除いたり、薬を使って腫瘍を抑えたりする方法があります。
高プロラクチン血症の治療
◇ 薬物療法
おもにブロモクリプチンなどの薬を使用します。この薬の特徴としては、プロラクチンを低下させるだけでなく腫瘍も小さくさせる働きがあるのですが、腫瘍を完全に消し去ることは出来ません。そのため、薬の服用をやめてしまうとプロラクチン濃度が戻ってしまう場合があります。また、薬を服用していると腫瘍は小さくなりますが、服用期間が長期に及んでしまうと腫瘍が硬くなってしまう性質 (線維化) があります。
◇ 手術療法
外科手術によって患部を直接除去する治療方法で、1度の治療で完治させることも出来ます。できてしまった腫瘍が薬に耐性を持っている場合には、この方法が有効となります。もし、手術で完治できなかったとしても、その後の薬物療法に移った場合の薬量を減らすことができます。
◇ 放射線療法
腫瘍に放射線をあてて小さくするという方法です。この治療法の特徴としては、治療期間が短いという利点がありますが、そのかわり治療の効果が出るまでに時間がかかってしまうのが難点です。
その他の高プロラクチン血症
高プロラクチン血症は体質によるものもあります。普段は正常なのに、夜間やストレスが溜まったときや、黄体期の時期だけプロラクチン値が高くなって妊娠しづらくなっている方もいます。このように腫瘍などもなく原因が不明な場合には、おもに薬を使ってプロラクチンを抑える治療をします。
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