不妊症の定義

世界保健機関(WHO)では、夫婦が妊娠を希望して性生活を行うにもかかわらず、2年ほど経過しても妊娠できない状態を不妊症と定義しています。
ただ、妊娠を望む夫婦の約8割が1年以内、2年で9割以上の夫婦が妊娠できる状況や晩婚化を考慮して、1年経過で不妊とする考えもあります。
日本を取り巻く、不妊症の状況
日本では、妊娠を望む夫婦の1割程度が不妊症で悩まれています。そして、この1割と言う数字は、200万組もの夫婦が妊娠できずに悩んでいる事になります。
また、少子化問題が話題になるように、結婚の晩婚化や婦人病の増加などの不妊原因もあり、不妊症の割合が高まっています。これからの日本を支えるためにも、妊娠・出産の上昇が重要です。
不妊症の原因と対策
不妊症の原因には、女性・男性のどちらかに原因がある場合や、男女ともに原因がある場合があるので、不妊検査を受けるときは二人で受診しましょう。
また、不妊検査を受ければ確実に原因が分かるわけではありません。中には、現代医学でも解明できない原因不明の不妊症もあります。さすがに、新しい命を授かる生命の神秘には、人の手の及ばない領域があるようです。
● 不妊治療について
不妊検査で原因を特定し、その症状に合った不妊治療を行います。身体的に問題がない場合は、排卵日を予測して夫婦生活を行うタイミング法や、体のホルモン状況を改善するホルモン療法で様子を見ます。
また、基本的な不妊治療で効果がない場合は、高度な不妊治療である高度生殖医療に進みます。高度生殖医療には、採取した卵子と精子を卵管内に戻す配偶子卵管内移植、人工的に卵子と精子を受精させた受精卵を培養して、成長した胚を子宮に戻す体外受精胚移植などがあります。