妊娠するための体の器官 (男性)

男性は、妊娠するために必要な能力としては、勃起・射精・精子の製造能力の3つが必要です。また、インポテンツなどの勃起障害でも、精子が製造されていれば体外受精などで受精卵を得られます。
もし、精子を製造できない場合は、受精卵を得ることは難しいす。また、無精子症などで精子がいない場合は、受精卵を得ることは不可能となります。
精巣について
精子は、精巣という器官で製造されています。他にも、精巣では体に必要な男性ホルモンを生産して分泌する働きがあります。
また、精巣の構造についてですが、精巣は白膜とよばれる丈夫な膜に包まれています。そして、その精巣の内部には、約250もの精巣小葉という小さな仕切りがあって、その中に精細管とよばれる細い管が詰まっています。
その精細管が集まって精巣網という器官になり、やがて1本の精巣上体管となります。この一連の部分が、精子を生産する器官の集合となっています。
精巣上体について
精巣上体は、頭部・体部・尾部の3つの部分に分けられます。そして、この頭部・体部・尾部の部分で10〜20日ほどかけて精子を成熟させます。
また、精巣上体の尾部の部分では、常に精子が貯蔵されているので、もし、精子を直接採取する必要がある場合は、ここから採取できます。
精子について
● 精液の状態について
1回で射精される精液の量は3〜5CC程で、精液1CC中に約6,000〜1億の精子が含まれるのが正常値です。
もし、精子の数が減少していて1CC当たりの精子数が4,000万を下回ると不妊治療が必要です。また、1CC当たりの精子数が2,000万以下を乏精子症、精子がいない状態を無精子症と言います。どちらの症状も不妊治療が必要です。
● 精子の状態について
精液中の精子数が正常値であっても、その製造された精子に障害が発生している場合には、不妊症の原因となってしまいます。
また、精子障害には、精子の運動率が悪い、精子の奇形率が高い場合があります。このトラブルの原因には、造精子機能障害で精子を製造する能力自体が低下している、精路通過障害などの精子を運ぶ精管が詰まっている場合があります。
◆ 精液の正常値について ( WHOの基準 )
精液量 : 2,0ml以上
精子濃度 : 2000万個以上/ml
精子数 : 4000万個以上
奇形率 : 70%未満
白血球 : 100万個未満/ml
運動率 : 射精1時間以内の50%以上が前進運動、25%以上が高速直進運動